2021年3月時点で約1300万回線以上も契約されている格安SIM(または格安スマホ)ですが、
あなたは格安SIM・格安スマホについて、どういったサービスなのかというのをご存じですか?
今回は近年ますますサービスの拡大を続ける格安SIMについて、【格安SIMとは何なのか】【メリット・デメリットは?】
という部分を初心者の方のためにわかりやすく解説していきます。
こんな方におすすめ
- 格安SIM・格安スマホというものが何なのか知りたい方
- メリット・デメリットを知りたい方
- 格安SIMを検討している方
この記事を読めば
格安SIM・格安スマホというサービスについて
そもそもSIMカードとは?
格安SIMを契約する際の注意点
という部分が理解できます。
目次
格安SIM・格安スマホとは

格安SIM・格安スマホとは、大手携帯キャリア(docomo・au・Softbank)と比べ、格安な料金で利用できる携帯電話サービスのこと。
また【格安SIM】と【格安スマホ】の違いに関しては、そこまで大きな違いはなく単に呼び方の差と認識している方も多いです。
ちなみに具体的に説明すると、

このような違いになります。
格安SIMとはSIMカードそのものを指し、
格安スマホとは格安SIMがセットされている端末のことを指します。

これらをまとめて1つで格安SIMと言っていたりする場合も多いので、ある程度の認識でも大丈夫です。
SIMカードとは?

格安SIMについて理解するうえで、そもそもSIMカードとは何なのかという部分を知っておかなければなりません。
SIMカードとは
スマホに装着されているカードのこと。
契約者の識別番号や、電話番号・メールアドレスなどが記憶されています。
契約者の重要なデータや電話番号などが記録されているため、スマホにSIMカードを入れることで初めて電話やインターネット通信などをおこなえるようになります。
つまり逆に言うとSIMカードの入っていないスマホは(基本的には※1)使えないということになります。

(※1基本的には使えない)というのは、電話回線を利用した機能が使えなくなるということで、
SIMカードの入っていないスマホに関しては【電話をかける・うける、4G/LTEなどのインターネット通信】などが利用できないということになります。
実際にSIMカードありの場合とSIMカードなしの場合で何ができるのか、イラストにまとめました。

ざっくりと分けるとこのようになりますが、細かく言うとSIMカードの中にも【データSIM】や【音声通信SIM】などがあり、
SIMカードの種類によって利用できる内容も変わってきます。
SIMカードごとの細かい内容の違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
-
【SIMカード】3つのサイズと3つのカードタイプを徹底解説!確認方法も合わせて紹介
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なぜ格安なのか

なぜ格安SIMは大手携帯キャリアに比べて料金が格安なのか?
その部分を理解するためにはまず、大手携帯キャリアと格安SIMを提供している企業の違いについてお話します。
大手携帯キャリア
大手携帯キャリアであるdocomo・au・Softbank(楽天モバイルも)は MNO( Mobile Network Operator/移動体通信事業者)と呼ばれ、独自の回線網(回線設備)を持っています。
その独自の回線網を使うことで、我々ユーザーに対して携帯の電波を届けてくれています。
MNOは設備を保有しているため、その設備に対する維持費やメンテナンス費用、人件費などさまざまなコストをかけて運営しています。
格安SIM提供企業
それに比べ格安SIMを提供している企業はMVNO(Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者)と呼ばれています。
MVNOに関しては独自の回線網をもたず、MNOから回線網を借りる形で運営しています。
MVNOは設備を保有していないため維持費やメンテナンス費用などのコストがかかりません。
MNOとMVNOにはこのような違いがあります。
分かりやすく高速道路で例えると、まず高速道路があったとします。
その高速道路を保有しているのがdocomo(MNO)だとして、docomo格安SIMを提供している企業はそのdocomoから一部の車線を借りて走行している。
といったイメージになります。

格安SIMのサービスを提供しているMVNOは設備のメンテナンスや維持費等がいらないので
その分格安SIMとして低料金でサービスを提供してくれています。

また大手キャリア(MNO)ではさまざまな地域に店舗が多数ありますが、MVNOに関してはネットでの販売がメインになります。
そのため人件費の面でも大きくコスト削減を実現しているので、低価格のサービスが可能になっています。
格安SIMのメリット・デメリット

ここまでの説明で格安SIMというものが何なのか、というのを理解いただけたかと思いますが、
ここからはそんな格安SIMのメリット・デメリットについて解説していきます。
格安SIMのメリット
とにかく料金が安い
格安と言われているほどなので料金が安いということは想像できるかと思いますが、どれくらい安いかというと
月額数百円~3,000円程度の料金で利用できます。
もちろん契約するプランや容量、事業者選びなどで大きく変わってきますが、おおよその相場としてはこれくらいに落ち着きます。
大手携帯キャリアでは5,000~6,000円は当たり前で
10,000円超えている方もたくさんいるので、それに比べるとやはり格安というのは本当です。

契約期間や違約金などの制限が緩い
意外と気になる違約金や契約期間ですが、格安SIMでは基本的に制限がゆるくなっています。
具体的に言うと、格安SIMは期間自動更新ではなく最低利用期間という制限になります。
例えば大手キャリアの場合は2年自動更新などの縛りがありますが、格安SIMに関しては最低利用期間というものが設けられているので、その最低利用期間分使っていれば以降違約金は発生しないといった感じになります。

大手携帯キャリアの場合は基本的に2年契約で違約金10,450円です。
違約金や契約期間の縛りは格安SIMの方が断然緩くなっています。
2019年3大キャリアによる大きな違約金変更があり、2019年9月以降に大手キャリアで新しく契約した方に関しては違約金が1,100円となりました。
Softbankは違約金0円。
サービス対応エリアが大手キャリアと同等
格安SIMは全国さまざまなエリアで利用することが可能です。
その理由は、MVNOというのは大手携帯キャリアの回線網を借りて運営しているため、電波の繋がる場所・利用できる場所がキャリアに依存するからです。
つまりdocomoの格安SIMはdocomo携帯が使えるエリアなら使える。
auの格安SIMはau携帯が使えるエリアなら使える。といった感じになります。
電話番号はそのままで契約可能
格安SIMに乗り換える際、今までの電話番号がそのまま使えるのかどうかはかなり大きなポイントになるかと思いますが、
そのままの番号で契約することは可能です。
いちいち電話番号変更のお知らせをするという手間がなくなるので、
今までの電話番号をそのまま使えるというのは大きなメリットです。

ただし、番号を引き継ぐためにはMNP(ナンバーポータビリティ)転出手続きというのを行う必要があります。
以上が格安SIMのメリットになりますが、ここからはデメリットについて解説していきます。
格安SIMのデメリット
キャリアのメールアドレスが使えない
格安SIMに乗り換えると、今まで使っていたキャリアのメールアドレス【@docomo.ne.jp @ezweb.ne.jp @softbank.ne.jp】が使えなくなってしまいます。
キャリアのメールアドレスで何かのサービスに登録している場合は、それらの登録アドレスを変更しておかないといけないので手間がかかってしまいます。
現在ではキャリアメールよりもGmailやYahoo!メールなどのフリーメールアドレスが主流になってきているので、まだフリーメールを持っていない方は乗り換えの前に取得しておくのがおすすめです。
通信速度がキャリア本来よりも遅い
通信速度に関してはキャリアに比べて遅くなってしまう傾向が強いです。
格安SIM事業者(MVNO)では大手携帯キャリアの回線網を借りて運営しているのですが、その借りている回線の量や幅には限りがあるため、利用者数の増える時間帯では速度が遅くなってしまいます。
先ほどの高速道路のイラストで例えると、設備を保有しているキャリアは多くの車線があるため車が多くても大丈夫。
それに比べMVNOでは借りている車線が限られているため車が増えると渋滞してしまう。

先ほどのイラストと似ていますが、車の数(利用者数)を増やしました。
ご覧の通り格安SIMが借りている回線だとキャリアにくらべ車線が少ないため渋滞が発生しやすくなります。
この渋滞というのが、ここでいう回線速度の遅さということになります。
支払いがクレジットカードのみの場合が多い
大手キャリアでの料金支払い方法というのは、銀行引き落としやクレジットカード・請求書払いなど、複数の方法から選べますが、
格安SIMに関しては基本的にクレジットカード払いのみとなっています。
コンビニ支払いや銀行引き落としなどは対応していない場合が多いので、クレジットカードを持っていない方は契約の前にしっかり確認しておきましょう。
実店舗が少ない
docomo・au・Softbankなどは全国各所に多くの店舗を展開していますが、基本的にインターネット上で契約をする格安SIMに関しては実店舗がほとんどありません。
実店舗が少ないということは、店員と対面での直接的なサポートが受けられないということになります。
ネット上でのやりとりだけで大丈夫という方は問題ないのですが、やはり店舗に直接行って相談したいという方にとってはデメリットになります。
一応事業者の中には店舗を持つところもあるので、店員と対面でのやりとりや相談をしながら
安心して契約をしたいという方であれば、実店舗のある格安SIMを選びましょう。

以上が格安SIMのデメリットになります。
ここからは格安SIMを契約する際の注意点を解説します。
格安SIM契約の際の注意点

格安SIMを契約する際にはいくつか注意点があります。
契約の前に1度注意点を確認しておきましょう。
LINEのID検索が使えなくなる
格安SIMでのLINEの利用自体は出来るのですが、ほとんどの格安SIMでは年齢認証ができないため、年齢認証が必要になるLINEのID検索機能は使えなくなってしまいます。
そのため、今までLINEの友達追加をID検索で行っていた方は注意しましょう。
ID検索はできなくなりますが、QRコードでの友達追加に関しては今まで通り利用できるのでそちらを利用することになります。
初期設定は自分で行う必要がある
格安SIMは基本的にネット上で契約をして、後日SIMカードや端末が届くという流れになっています。
SIMカードをスマホに装着
ネットワーク設定
など、最初の設定を自分自身で行います。
設定に関しては簡単なものなので安心してほしいのですが、あまり端末の設定等されたことが無い方にとっては少しハードルが高く感じてしまうかもしれません。
なので契約の前に、事前にどのような設定をするのか調べて、少しでも設定に関して理解しておくと良いでしょう。
SIMロック解除が必要な場合がある
大手キャリアから格安SIMに乗り換える場合で、端末のSIMロックを解除する必要がでてくるケースがあります。
というのもSIMロックがかかったままの端末では、その端末を買ったキャリアのSIMしか使えないからです。
例えばSIMロックがかかっていると
docomoショップでdocomoを契約
⇩
格安SIMに乗り換えたい
⇩
ロックがかかっているからdocomoの格安SIMしか使えない
といった感じになります。
なので【docomoで契約した端末だけど、auの格安SIMを使いたい】などの場合は、SIMロックを解除する必要があります。
MNP予約番号を用意しておく必要がある
今までの電話番号を引継ぎで使いたい人に限りますが、番号を引き継ぐ場合はMNP(ナンバーポータビリティ)予約番号が必要になります。
MNP予約番号とは、乗り換え先の携帯で今までの番号を引き続き利用するために必要なチケットのようなものだと思ってもらえばわかりやすいです。

MNP予約番号は現在契約しているキャリアで発行してもらい、その番号をもとに新規契約をする際に移転手続きをします。
MNP予約番号には取得してからの有効期限というものがあります。
ですので予約番号を取得した際には数日以内に新規契約先での番号移転手続きを完了させましょう。
まとめ
今回は格安SIM・格安スマホについてまとめさせていただきました。
格安と言われるほど料金が安く、年々注目度も上がっていて徐々にサービスの拡大を広げてきています。
市場調査を実施しているMM総研では、2024年3月末時点で2300万回線に達すると予想しています。
そんな格安SIMですが、実際には内容がわかりづらくて契約に踏み出せなかったり、そもそもかなり値段が安いのでたくさんのデメリットがあるのでは?
と感じている方も多いかと思います。
またSIMロックやSIMフリー、MNPなど初心者の方にはハードルが高く感じてしまうような内容もあると思います。
今後もそういった方たちのために、【わかりやすく】【徹底解説】を軸にさまざまな情報を発信していきたいと思います。

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